茶室で使うお菓子
お菓子
茶室で使うお菓子は、四季折々の風情あふれる和菓子がたくさんあります。
どこか知らない街に行ったとき、和菓子屋さんを探すのも、楽しみの一つです。
季節感をまっとったお菓子。色や形、見た目の美しさを味わい、そして、舌で味わう。
さらにその銘(名前)を聞いて、おもてなしの心を感じる。
お菓子の種類
お菓子には主菓子と干菓子があります
主菓子は通常、濃茶(濃いお茶)を入れて飲むまえに頂きます
「上生菓子」
・練り切り、きんとん、羊羹など
「朝生菓子」
・大福、柏餅、饅頭など
「水物菓子」
・寒天、くずもち、ゼリーなど
干菓子は通常のまれている薄茶と共に頂きます
「打ち物」
・落雁
「掛物」
・果物や野菜などに砂糖をまぶしたもの
「焼き物」
・ボーロや麩菓子など焼いたお菓子
「飴物」
・有平糖、金平糖、翁飴
薄茶だけの時も主菓子が出ることもありますが、お抹茶を頂く前にお菓子を頂いて、お抹茶を頂きます。お抹茶を頂く前にお菓子を頂くことで、口の中にかすかに甘さが残り、それがお茶の味を引き立ててくれます。
一杯のお茶を美味しく召し上がって頂くための工夫で、あくまでも主役はお抹茶です
お菓子の頂き方
1主菓子やお干菓子とも上座のお客様から順番に菓子器を回します
2自分の前のお客様から「お先に」と声をかけられたら、手をついて
お辞儀をします
3お菓子器が回ってきたら、次の方と自分の間(畳の縁外)に菓子器を置き
次の方に手をついて「お先に」の声を掛けます
4菓子器を自分の正面に置き亭主へ「頂戴いたします」の声をかけます
5菓子器を軽く押し頂き、置いて、お懐紙を出し懐紙の和が手前になるように
外側の懐紙を上に折り返し縁内に置きます
6菓子器に手を添え懐紙の上のお菓子を取ります
7両手で菓子器をもって次の方に送ります
8取ったお菓子を両手で懐紙を持ち上げ左手に持たせていただきます
主菓子・楊枝で切り分けて頂きます
(あまり楊枝で細かくしてしまうと、
形が崩れてしまうので一口大に分けていただきます)
干菓子・こちらは手で口に運んでいただきます
季節感でもてなす菓子
味もさることながら、やはり季節感を楽しめるのがお菓子です
お菓子にはそれぞれ銘あり、銘を聞くだけでも季節を愉しめるものです
春のお菓子
「初桜」「しだれ桜」「都の春」「春霞」「花霞」など銘を聞いただけでも
春を感じさせてくれます。
夏のお菓子
葛や寒天などを使って涼しさを演出してあるお菓子がたくさんあります
「朝顔」「水牡丹」「青楓」「風鈴」「団扇」「夏祭り」などがあります
秋のお菓子
やはり紅葉が季節の中心になります。
銘は「十六夜」「錦秋」「初雁」「萩の戸」「残菊」「紅葉」などです。
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冬のお菓子
12には、「朝の雪」「寒月」など寒さがテーマのお菓子が多くありまが、1月になり年が代わると、「末広」「瑞雲」「松濤」など、おめでたい銘などに変わります。
あくまでも、一杯の抹茶を味わうための引き立て役と言われている菓子ですが、茶室での季節の演出に欠かせないもので、菓子を選ぶところから始まる、「おもてなし」。おもてなしを学ぶ茶道で自分磨きしてみませんか